引っ掛かる所はみな同じ。
先日、また習志野高校の吹奏楽部へ臨時コーチに行ってきました。習高へ教えに行くのは、これで5回目か。
今回は、今やっているセレクション(ポップスのメドレーみたいなもの)でジャズ・ラテンの曲(チック・コリアのラ・フィエスタなど)をやるそうで、その曲についてラッパパートの女の子8人の練習を見てあげることに。午後から仕事だったので、午前中2時間だけという時間制約がありましたが、一通りパートで吹くのを聴いた後に、ダイナミクスの付け方とか、ジャズやラテンの奏法とかを教えたりしました。
何度か教えに来ているうちに感じたけど、ラッパのジャズ・ラテンの奏法では大概みんな「シェイク」と「ターン(ハーフターン)」で引っ掛かりますね。それとやはりハイノートの出し方。
もっと時間があればじっくりやりたいテーマなんだけど、とりあえず「シェイク」「ターン」はリップスラーの延長線上のテクニックであること、それを高音域でコントロールするには力が入っていては出来ないことを教えて、それぞれの練習方法を伝授。ハイノートはラッパ吹き全ての永遠のテーマですが、これもまず力が入っていては出せないこと、を教えました。
この他に強く感じたのは、「音の立ち上がりがハッキリしない」ことですね。これはよく中高の吹奏楽部周辺で勘違いされていることですが、「響きを出せ」「マルカートで吹け」と言われて、ホールで録音された演奏のように、音の出だしや終わりをフワッと吹く事が癖になってしまっているケース。
PAを使わないアコースティックな演奏において、「響き」というのは本来、演奏する場所の残響を「利用して」作るものです。(これに対して「鳴り」は自分で作るもの)
実際、うまいクラシックのラッパ吹きがデッドなスタジオで吹いているのを聴くと、意外とボソボソした音の感じがします。しかしそれはラッパの「芯」の音だからで、ひとたびホールで聞けば素晴らしいサスティーンを伴って聴こえるものなのです。
それを、「すでに残響が付いた音」をまねて吹くものだから、音の輪郭がぼやけてリズムが出なくなってしまう、というわけ。これが特にジャズやラテンの曲をやるとマイナスに働きます。
さらにもうひとつ、「出せる音が1種類しかない」のも問題。管楽器の表現上、少なくとも「柔らかい音」「硬い音」の吹き分けは必要だと思いますが、大概その中間か、柔らかい音の1種類しか出せない子が多いです。これは自分の持っている「音のイメージ」が何種類もないと難しいんだけど、ある程度のテクニックがあればこの吹き分けも出来て欲しい所です。
この「音の立ち上がり」と「音の吹き分け」問題は結構根深いし、もちろん私も今も悩むテーマです。彼らに教えながら、自分も向上できればな~と思います。
それにしても、自分が高校生の時には、まさか当時あこがれの習高でラッパを教える事があるなんて、夢にも思わなかったな・・・。楽器も長く続けていると、色々なことがあるもんだ。
クラシック・トランペットの「神」モーリス・アンドレ氏。私はこの人を聴いて、「なんだ、アタック強くていいんじゃん」と思った。(乱暴すぎ)

「トランペットの<小技>研究所」
彼のハイノートは「成層圏の高さ」と良く比喩され、彼のトレードマークにもなっていました。
最近のコメント